西白河地方森林組合

メニュー

組合長のつぶやき

組合長のつぶやきNO13

組合長 今回は、森林の大地主で、日本の林業のために活躍されている田島信太郎さんのことを書きたいと思います。

 林野庁の地下の書店で本を物色していると「断固、森を守る」というタイトルが目に留まり、私と同じ考えだと思い購入して読ませていただきました。
著者の田島信太郎さんは、大分県日田市で鎌倉時代から続く林業経営者の家に生まれ、若くして林業経営の第一線に立ち、現在はご子息を含め12名の従業員を抱える「田島山業」の経営者です。先祖代々守ってきた田島の森を舞台に「血」でつなぎ「智」で活かすとした林業を実践しています。
 また、「林業復活・地域創生を推進する国民会議メンバー」など様々な要職に就かれており、日本の林業改革のために全国で講演等を行っています。若い人たちが夢を持てる林業にしたいと考え行動する素晴らしい人です。

 「林業は、山に木を植え、育て、伐って売る、そしてまた植えるを繰り返す仕事で、植林から伐採までに半世紀もかかる超長期にわたる特殊な産業である。このことをしっかり理解して施策を講じなければならない。」と田島氏は書いています。私もまったく同感です。林業は今、利益を得る産業とは言えないと思います。材価は、昭和55年のピーク時に比べて1/3程に下がり低迷を続けており、伐採しても再造林されず、森林の荒廃が進んでいます。

 しかし、森林は生態系全ての源であり、守っていかなければなりません。そのためには、若い人を中心に森林にもっと関心を持ってもらうことと、森林が有している国土保全や水源涵養、地球温暖化防止などの公共的側面を考慮した行政による取り組みが必要だと思います。
 林業が大変厳しい現代において、田島氏のように「森を愛し、守る」という強い意志を持って日々活動されている人がいることを心強く感じます。私も引き続き、森林の大切さを訴え続けていきたいと思います。

 今年7月の豪雨により、田島氏の所有する森林が大きな被害を受けたと報道を通じて知りました。心よりお見舞い申し上げますとともに、田島の美しい森林が一日も早く回復しますよう願っています。

2020/10/16